夜、8時ちょうどにクリニックに到着しました。昼間、事前検査に訪れた時とはちがい、あの広い待合室には人がちらほら座っているだけで、大半の人達は、手術を受ける人達専用の待合室で自分の名前が呼ばれるのを待っていました。私もさっそく受け付けで、「チェック・イン」を済ませ後、待合室に腰を下ろしました。
3~4人ほどの人が名前を呼ばれた後、看護士さんらしき人に導かれ、足を踏み入れたことのない廊下へと一人ひとり消えていきます。その代わり、別の廊下からまた一人ひとり、大きな全く同じデザインの眼鏡をかけながら出てきました。その人達は皆、これから私が味わう未知の体験を終えた患者たちでした。
しばらくして、いよいよ自分の名前が呼ばれ、ブルーの清潔そうな綿の作業着に身を包んだかなり若そうな看護士さん(もしくは医師?)に導かれ、あの謎の廊下に私も足を踏み入れました。そこは、クリーム色の壁に囲まれた物音一つしないとてもきれいな廊下で、その先にあるまた別の小さな待合室に通されました。
そこでは、紙でできたヘアーキャップとブルーの手術着を渡され、ノーメークの顔が良く見えるように自分の髪の毛をきれいにヘアーキャップに収めた後、着ている服の上からその手術着をかぶりました。さらに、その待合室は土足では入れず、靴を脱いでスリッパに履き替え、靴はビニール袋に入れ、そこにおいてあった専用のかごに置いておくように言われました。
数分後、別の人が目薬を持参し待合室にやってきて、「今から、麻酔薬を打ちますね~」と言いながら、私の両目にあのベールをかぶせたような感覚に襲われる目薬をさしていったのです。それから、どれくらいの時間が過ぎたでしょうか。待合室に置いてあったファッション雑誌には目もくれず、なぜか呆然とその静かな待合室で自分の鼓動だけを感じていました。
すると、またあの麻酔薬を点眼しに同じ人がやってきたのです。20分~30分ほどの時間がたっていたでしょうか・・・。本当にこの数滴の麻酔点眼薬で、私の眼は強烈な痛みから守られるのかどうか不安で仕方ありませんでした。
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